一生モノの人脈力 (キース・フェラッジ, タール ラズ他)の書評

people sitting on chair in front of table while holding pens during daytime

一生モノの人脈力 
キース・フェラッジ, タール・ラズ他
パンローリング株式会社

本書の要約

①まず最初に、目標達成に向けた具体的なゴールを考える。②次にゴールを目指すうえで役に立ちそうな人・場所・モノを探す。③ゴール達成に必要な人脈をつくる方法を見つける。というネットワーキング・アクションプランを実践することで成功の確率が高まります。人脈の力を信じ、他者との信頼関係を築きましょう。

人脈が成功に欠かせない理由

ビジネスであれ何の世界であれ、成功するには人に対抗するのではなく、人と協力することが大切だ。(キース・フェラッジ)

アダム・グラントGIVE&TAKEのオーディオブックのなかで、キース・フェラッジ一生モノの人脈力が紹介されていたので、早速キンドルで読み始めました。著者は工員として働く父の人脈力のおかげで、有名な学校で学ぶことができ、成功への道を歩み始めます。

フェラッジはキャディをしながら学んでいましたが、その時に職業的地位が高い人たちがお互いに助け合っていることに気づきました。成功している人たちは互いに仕事を紹介し、相手のアイデアに時間とお金を注ぎこみ、自分たちの子どもが良い学校に入って相応のインターンシップ先で経験を積み、最終的には立派な仕事に就けるよう手助けしていたのです。  

自分の成長を手助けしてくれる人がいないのも、貧しさのひとつだと考えるようになった著者は、良質な人脈を築くことの重要性を理解し、自分の思考と行動を変え始めます。

今では私は、人間関係づくりとは、他人の人生に影響を与える手段であるとともに、自分の人生を探求し、豊かにするための手段なのだと思っている。私たちは人脈づくりを通じて、自分の人生を意識的に切り開いていけるのだ。大きな事業を成し遂げている人は必ず、本能的に強力な人脈を築いているものだ。

私たちが満ち足りて幸せに過ごせるかどうかは、もっぱら、周囲からどれだけの手助けや助言、愛情を得られるかにかかっていることが多くの研究からもわかっています。良い人たちとの出会いが増えれば、増えるほど、私たちは幸せになれるのです。

他人に貢献すること、自分の価値をギブすることはとても重要ですが、時には周りの人に助けを求めましょう。人と人とのつながりは、絶えず与えたり与えられたり、助けたり助けられたりすることによって成立します。誰かを誰かに紹介し、自分が持つ時間と知識を分け与え、それを他人と共有することによって、ますますよいことが起こるようになります。ネットワークの力は無限だと考え、積極的にネットワークを活用するようにしましょう。

ネットワーキング・アクションプランという3つのステップ

人脈を広げるにはまず、損得を計算するのをやめなければいけない。ネットワークを築くには、互いに熱意を持つ人同士を引きあわせなければならない。あなたがたくさんの人を助ければ、それだけあなたを助けてくれる人も増え、他人を助けるにしても大勢の人に手を貸してもらえる。

インターネットと同じ原理で、人脈もアクセスする人や利用する人が増えるほど価値が高まります。価値のある人が集まるコミュニティに属し、それを大きくすることを考え、人を紹介するようにしましょう。人間関係は信頼によって強まるもので、組織も信頼の上に成り立ちます。信頼できる人どうしをつなぐことで、周りの人から感謝されるようになります。

信頼できる人間関係の輪を広げていくには、絶えず人前に出て新たな出会いを求めなければなりません。初対面の人と話すたびに、自分を拒絶されたらどうしようと私も不安になりますが、断れたとしても失うものは何もないと考え、目の前の相手に集中するようにしています。

目標を紙に書く「ネットワーキング・アクションプラン」を実践することで成功の確率が高まると著者は指摘します。
ネットワーキング・アクションプランという3つのステップ
①まず最初に、目標達成に向けた具体的なゴールを考える。
②次にゴールを目指すうえで役に立ちそうな人・場所・モノを探す。
③ゴール達成に必要な人脈をつくる方法を見つける。

出会いのチャンスというのは、自分で思う以上にたくさんあるものです。周りを見渡せばいたるところに、人間関係を深める絶好の機会が転がっています。

ビジネスの世界ではよく「最高の顧客は今持っている顧客」と言われていますが、最も大きな収益は、新しい販路ではなく既存の顧客基盤から得られます。すでに何らかの接点がある人との関係を強化し、そこから人脈を広げることを意識しましょう。

友人の友人、学校時代の顔見知り、家族など身近な人脈に目を向け、自分の目標について話すことで、誰かを紹介してもらえるようになります。私は本を出版するときに、周りの著者に相談し、他の著者や編集者を紹介してもらい、どうすれば著者になれるかを学びました。情報のアウトプットを続けることで、仲良くなった編集者から出版のオファーをいただけたのです。

人脈づくりはその場しのぎの解決法でもなければ、必要に迫られて試みる一度限りのチャレンジでもない。人脈とは本来、少しずつ広げていくものだ。真の信頼や協力を得るには、長い時間をかけて徐々に人間関係を育むしかない。

本当のネットワークづくりとは、周りの人の自分の価値を提供し、彼らの成功をサポートすることです。他者への貢献が自分の評判を高めてくれ、よい出会いがデザインできるようになります。自分が困ったときには、その人脈が役に立ちます。強い紐帯だけでなく、弱い紐帯を持つことで、思わぬサポートが得られ、トラブルを解決できるようになるのです。


この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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