平野敦士カール氏の世界のトップスクールだけで教えられている 最強の人脈術の書評

定年まで一つの会社にいることがレアケースになり、デジタル・ディスラプション(デジタルの創造的破壊)で自分の会社がいつなくなるかもわからない。それなのに、いま自分の「人脈」といえるのは自社の社員だけ……。そうしたなかで、たとえ会社がなくなっても生きていくためには、お金だけではなく「つながり」が最も大切になるのではないか、ということに。(平野敦士カール)

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人脈こそが最強の資産である!

人生100年時代が到来したことで、今までの働き方が通用しなくなってきました。ひとつの会社に一生勤めることが非現実的となり、自分の人生を会社に委ねることはリスクになっています。他者に依存するのをやめ、自分で人生を切り拓く力が必要になっていますが、私たちはどう行動すればよいでしょうか? 

そのヒントを平野敦士カール氏の世界のトップスクールだけで教えられている 最強の人脈術の中に見つけました。自分の未来への投資が欠かせない時代に、多くの人は株や不動産などの資産への投資を考えますが、平野氏はそれだけでは人生を楽しめないと述べています。

今後はお金だけでなく、人脈という目に見えない資産が力を持つようになります。長い人生を生き抜くためには狭い会社の人たちだけではなく、広い人脈を築いておくべきです。人脈は一度構築してしまえば、そのネットワークは消えることなく、自動的にビジネスチャンスを生み出し続けてくれるのです。『これからの時代には、お金よりもはるかに「人脈」が価値を生み出す』という著者の言葉を信じて、本書のメソッドを取り入れるとよいでしょう。実際、私も独立以降、人脈の力によって多くの仕事を得ています。独立前は食べていけるかが不安でしたが、良い人脈のおかげで仕事に困ることはなくなりました。

人脈というと多くの人たちは名刺交換や異業種交流会という日本的な人脈作りを思い浮かべるはずですが、著者はこのやり方を実践するのは無意味だと言います。相互にビジネス上の価値をもたらす可能性があるネットワークが真の人脈で、これを築かなければ意味がありません。世界のビジネススクールはこの人脈の重要性をロジカルに教えることで、多くの成功者を生み出しているのです。

私もこのブログで「弱い紐帯」やネットワーク理論、プラットフォーム戦略を紹介してきましたが、平野氏はこれらの理論を活用して、自分を進化させるべきだと述べています。「マイプラットフォーム」を形成することで、自分の周りに自動的に素晴らしい人たちが引き寄せられてきます。良い人とのつながりから、仕事が運ばれてくるようになり、稼げる自分に生まれ変われます。

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マイプラットフォームを築けた人が勝者になる!

企業、個人などさまざまな経済圏が混在していく世界が生まれてくるなかで、企業も、個人も、ネットワークの重要性を強く意識しながら自らのプラットフォームを築いた者だけが、勝利を手に入れることができる。そう私は考えています。私はそれを「マイプラットフォーム」と呼んでいます。

個人も GAFAのような存在になり、独自のプラットフォームを作ることで強者になれるのです。世界は意外に狭いことがわかっている中で、ネットワークを活用しない手はありません。特にマーク・グラノヴェッターの「弱い紐帯の強み」を信じて、他部署や他の会社の人と積極的に交流すべきです。狭い組織(強い紐帯)に留まっていては、チャンスに巡り会えなくなります。他人と同じような人脈しかもたない「構造同値」は危険で、他の人にとって変わられてしまい、自分のポジションを保てません。

空隙(隙間)が大きいネットワークの方が様々な情報を得られることもわかっています。空隙を多く含んだネットワークを持つ人は、優位なポジションを築け、交渉を有利に運べます。できるだけ広い世界で生き、過去に出会ったあらゆる人たちのつながりを大切にすることが空隙を大きくしてくれるのです。

似たよう人たちとつながっているスケールフリーネットワークに陥ると機会を損失します。閉じた世界で生きるのをやめ、自分とは異なる様々な人との出会いをデザインすべきです。また、人脈と人脈をつなげるブリッジになれば、所属しているグループとは異なるグループの情報を入手できるようになります。仲良しクラブだけではなく、関係性の異なる遠い関係性のスモールワールドとのつながりを強化していくことで、自分の知らない情報を入手できるようになります。スモールワールドをコネクトするブリッジを目指すことで唯一無二の存在になれるのです。

私は日々他業種の人や年齢、性別の異なる人と会うようにしています。気になる人がいたら、仲間にすぐに紹介するようにしています。マッチングを習慣にしたおかげで、出会った人たちとの関係を深めることができ、ハブ的な存在になれたのです。

人脈を強化したければ、多くの人を媒介するハブになり、自分のプラットフォームを築くことです。関わっている人にメリットを与え、課題を解決する姿勢がプラットフォームでは評価されます。自分だけで利益を独占するのではなく、Win-Winになるように多くの人たちとアライアンスを組むようにするのです。

自分を絶えず変化させ、魅力的な存在でいるためには、多様な人脈の力が必要です。

たくさんの人を知っているというだけでは、「人脈の達人」とはいえません。その一方、あまり友だちが多くない、話がうまくない、などの属性も関係がありません。あなたの人脈という資産を大切な友だちのために役立てさえすれば、あなたにしかない人脈ネットワークを強化・発展させることができるのです。

まずは、周りの人の価値を見つけ、その価値を活用したい仲間を紹介することから始めましょう。人から感謝される存在になることで、あなたの周りに人が集まってくるようになります。自分の周りの人をファンにするために、自分の人生のビジョン・ミッションをつくり、相手のために貢献することが人脈作りには重要なのです。

アライアンスランチや勉強会のリアルの活動とブログやソーシャルメディアのオンラインの情報発信を組み合わせることで、マイプラットフォームを強化できると平野氏は述べています。私もこのメソッドで人脈を強化できたので、平野氏の主張に共感を覚えました。読者の方も本書に書かれているアドバイスを実践すると最強の人脈を築けるようになると思います。

まとめ

日本型の名刺交換会や異業種交流会に参加しても、真の人脈は手に入りません。お互いがWin-Winになり、経済的な価値を交換できる人たちを仲間にするためには、自らのプラットフォームを作るべきです。オフラインとオンラインの両方に人が集まるプラットフォームを作り、あなたの周りの人を喜ばし、お互いの価値を交換する仕組みを作るべきです。自分が人と情報の集まる中心にいることで、よいことが引き寄せられるようになるのです。

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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