書評 えらいてんちょうのビジネスで勝つネットゲリラ戦術

現代のビジネス界では、正式な軍隊(企業)同士が戦う「正規戦」の時代は終わり、私たちしょぼい個人でも主役になれる、ゲリラ戦の時代がはじまっているからです。ルールは変わりました。強大な戦力を誇る正規軍たちを、私たちしょぽいビジネスゲリラが倒すことが可能になったのです。(えらいてんちょう)


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個人というゲリラが大会社に勝てる時代が到来

持たざる者がゲリラとなり、大手企業を倒すことが可能になりました。時代は激変し、過去のルールは通用しなくなったとえらいてんちょうは、ビジネスで勝つネットゲリラ戦術で述べています。

現代のビジネス界では、正式な軍隊(企業)同士が戦う「正規戦」の時代は終わり、私たちしょぼい個人でも主役になれるようになりました。テクノロジーが進化し、ソーシャルメディアやサブスクリプション・モデルが当たり前になることで、ビジネスを行うために資金が大きな意味を持たなくなりました。一方、リソースという強大な戦力を誇る正規軍たちには、今の時代を生き抜くアイデアやフットワークが不足しています。ネットという武器を持ったしょぼい個人であるゲリラ軍が、正規軍を倒せるようになったのです。

ゲリラは、正規軍と同じルールで戦ってはいけません。私たちが大企業に勝つためには、新しいルールで戦う必要があります。著者が提唱する「贈与戦術・戦略」を展開すれば、勝利に近づけます。まずは世の中に溢れる「バグ」を見つけ、ビジネスチャンスを探してみましょう。

私たちが暮らす日常でも、物の価値が異常に上下するバグが起こります。たとえば、富士山の山頂には自動販売機がありますが、そこでは普通の飲料が400円や500円という法外な値段で売られています。
・山頂まで重い飲料を持ち歩くのはキツイ
・登山では喉が渇き、飲み物が必要
・日本一高い山なので登山客が多い
といった特殊な条件が重なることで、飲料の価値が高くなります。著者はこの状況をバグと呼び、バグを見つけることで個人が勝てるようになると言います。

こういったバグを見つけたければ、個人の感情に注目すべきです。

私は、人の「感情」に着目することをお勧めします。感情はうつろいやすく、個人差が大きいため、大規模な正規軍にとってはあまり扱いやすい要素ではありません。正規軍にとっての感情はむしろ、広告や企業のSNSの炎上といったリスクを引き起こす、やっかいな存在です。

私たちしょぼい起業家は、バグを引き起こしやすい感情(人の心)を武器にすると正規軍との戦いに勝機を見いだせます。感情はうつろいやすいという特徴があるために、贈与戦術が効果を発揮してくれます。情報発信をSNSで行うことで、個人の感情を揺さぶれます。人々が自分の興味のある分野に時間を費やすようになることで、特定のジャンルに特化した個人が戦えるようになったのです。

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リソースを集中し、短期間で勝負する!

ゲリラが正規軍に勝つためには、一箇所に戦力を集中し、スピーディに戦うことが求められます。正規軍と多方面で戦ってもゲリラは勝てません。自分の土俵を決め、そこで勝負するのです。また、素早く決断すれば、大企業が参入する前に陣地を確保できます。彼らには意思決定に時間がかかるという短所がありますから、私たちゲリラはそこを突くべきです。ゲリラは失敗を恐れずに、短時間で動くことでチャンスをものにできます。

そもそもわれわれしょぽいゲリラには失敗を恐れる理由がないのです。なぜなら、ゲリラには失うものがないからです。ビビる必要はないんですよ。なぜ失敗が怖いかというと、失うものがあるからですね。評判が落ちるとか、利益が減るとか、ともかく何かを失うから失敗したくないわけです。

正規軍が動けぬ間に攻撃を仕掛けることを意識しましょう!桶狭間の織田信長を思い出し、タイミングを逃さなぬようにするのです。 ゲリラは身軽ですから、撤退も簡単に行えます。過度に失敗しないためには、さっさと引き上げる勇気も大切です。戦力の少ないゲリラには、逃げる時もスピードが求められます。ゲリラの基本戦略はトライ&エラーを重ねることなのです。 そして、勝利を得るために贈与を武器にして、多くの人を味方にしましょう。

贈与とは一体、何なのでしょうか?著者のえらいてんちょうは贈与を「人の心をつかむための投資」と定義します。低コストで動いてくれる多様な協力者を集めるために、贈与を活用するのです。 今はまだ手ごろな存在ですが、将来に期待できる無名の新人を見つけて投資をすれば、高い利益を確保できます。 一時的にスキャンダルで価値が落ちたインフルエンサーに投資し、価値が戻った時にリターンを得ればよいのです。優良企業の株価が何かの理由で下がった時に投資するのと同じ理屈です。 人は役割(存在意義)を求めています。私たちは存在意義を人に贈与することで、多くの人を味方にできるのです。

私は、積極的に人に役割を与えるようにしています。これは、役割≒存在意義を贈与していると見なすことが可能です。もちろん仕事をお願いしていることには変わりないので、一石二鳥でもあります。役割は何でも大丈夫。難しいタスクである必要はありません。ちょっと買い出しに行ってもらったり、受付に座ってもらったり、あるいは単にニコニコしてその場の雰囲気を保つだけでもいいんです。(得意分野は人それぞれですから、人の存在意義にはいろいろな形があってよいのです。しかし、存在意義が見出せなくなると、人は役割を渇望するということです。

役割を果たしたい人は世の中にたくさんいます。彼らにできることを頼むことで、ゲリラは勝機を見出せます。人は役割を求めています。彼らは自分の能力を活かす場を探しています。手持ち無沙汰にしている人に役割を贈与することで、Win-Winのゲリラ軍を作れます。 人に役割を贈与できるようになると人的ネットワークが広がります。より多くのタスクを用意すれば、より多くの人に贈与でき、彼らのスキルを世の中のために使えるのです。ゆるいつながりをネットとリアルで構築し、彼らのパワーを引き出すことがゲリラのリーダーの役割です。

贈与という武器を使って人脈を強化することが、起業の成功につながります。この新しいルールを日々実践することで、自分だけでなく周りの人を幸せにできるのです。

まとめ

現代のビジネス界では、正式な軍隊(企業)同士が戦う「正規戦」の時代は終わり、私たちしょぼい個人でも主役になれるようになりました。SNSとリアルでゆるいつながりを作り、ゲルラ部隊を形成し、一点集中型でスピーディに動くことで成功が手に入ります。その際、「贈与」を武器にすることで、仲間を増やせるようになります。

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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