イノベーションを止めないことが成功の秘訣!


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シリコンバレー式 最高のイノベーション
スティーブン・S・ホフマン
ダイヤモンド社

本書の要約

毎回の反復検証サイクルが、そのビジネスについての誰も知らない隠れた真実を見つけ出すチャンスになるのです。世界はいつも変化していることを忘れてはいけません。自分もライバルも気づかないうちに、市場全体が全く別の方向に向かっていることもあります。

イノベーターは反復のスピードを高めよう!

学習と発見のプロセスを加速させるためには、反復のスピードに注目しなければならない。反復のサイクルは毎回、チームの前提を検証する機会であり、何がうまくいって何がうまくいかないかを発見する機会でもある。このサイクルを圧縮することで、ライバルよりも先に正しいソリューションを見つけることができる。(スティーブン・S・ホフマン)

スティーブン・S・ホフマンシリコンバレー式 最高のイノベーション書評を続けます。最近、アメリカで起業した経営者と話しましたが、彼らは著者が言うところの反復のスピードを高めていました。自分勝手に開発を進めるのではなく、顧客との対話を重ね、プロダクトのレベルを素早く高めていたのです。実際、そのベンチャーのプロダクトは短期間に進化し、多くのユーザーをつかまえることに成功します。

開発者に必要なことは、顧客の声に耳を傾けることで、ユーザーがプロダクトに何を望み、何が爆発的なリターンにつながるのかを正確に理解することなのです。 リンクトインの共同創業者のリード・ホフマンは、「自分のプロダクトの最初のバージョンが恥ずかしくないなら、発表が遅すぎるということだ」と言う名言を残しています。

コンセプトを固めることに時間をかけるのではなく、実際のプロダクトをリリースすることを優先すべきです。不恰好でもプロダクトを世に出してすぐに学習を始めるほうが、時間をかけて美しいプロダクトを開発するよりはるかに価値があるのです。

最初から顧客を満足させるプロダクトを生み出すことはできないのですから、完璧にこだわることはやめましょう。重要なのは反復のスピードで、ユーザーの手にプロダクトを委ねないと本当の反復のプロセスは始まりません。本当の学びが始まるのは、ユーザーがプロダクトをどう使うかを見た時なのです。ユーザーを注意深く観察すると見返りがあるということを信じ、彼らが何をしているのかを見極めましょう。

真のイノベーションは直線的に生まれません。ジグザグだったり、遠回りしたり、〝森の中で迷子〟になったり、ジェットコースターのように高みに上って急降下することもあります。最初からうまくいくわけはないのですから、あれこれ考えずにプロダクトを開発し、顧客からのフィードバックをもらいましょう。自分たちのアイデアが全く評価されないのであれば、ビジネスモデルに可能性がないと言うことです。泥沼に陥らないために、時には撤退する勇気を持つことも大切です。

ネットフリックスが成功した理由

とにかく進みながらいろいろなものを作っていくんだ。ウソじゃない。どれがうまくいくかなんて決めつけないし、現実に検証しないうちに勝手に予測もたてない。予測するとバイアスがかかるからね。だからいろいろやりながら、うまくいくものは残して、うまくいかないものは捨てて、それを続けながらビジネスを作っている。試したものの9割はうまくいかない。(ネットフリックスの主任デザイナー)

顧客の行動を注意深く見ること、自分たちで勝手に予測しないこと、うまくいくものを残して、ダメなことを捨てることが、ネットフリックスの勝因でした。ネットフリックスは上手に反復検証のサイクルを回してきたことで、世界一イノベーティブな会社になったのです。

会議で議論するよりも、よさそうなアイデアがあればチームに任せてユーザーに検証してもらうべきです。おカネをかけずに簡単な実験を設計し、ユーザーに見せて、できるだけ多くのデータを集めるようにしましょう。

顧客の声を取り入れることで、ユーザーからの協力を得られます。ユーザーとの関係を強化することで、プロダクトのファンを作れます。

ユーザーがアイデアを出し、欠陥を指摘し、オーナーシップを持つことになる。あなたが頼まなくても、ユーザーが最高の応援団となり支援者となってくれる。またそれが、リスクを減らすことにもなる。

検証する時間が長引けば長引くほど、リスクはどんどん高まっていきます。うまくいくかどうか全くわからないアイデアに、1日1日と開発費とリソースを割かなければならなのです。実は、反復検証サイクルを短縮するということは、リスクを減らすことにもつながります。

毎回の反復検証サイクルが、そのビジネスについての誰も知らない隠れた真実を見つけ出すチャンスになるのです。世界はいつも変化していることを忘れてはいけません。自分もライバルも気づかないうちに、市場全体が全く別の方向に向かっていることもあります。

DVDがなくなると予測し、動画の配信サービスを始めたネットフリックスは、時代を先読みする力と顧客を味方につけることで、今の地位を短期間に築いたのです。DVDレンタルの巨人だったブロックバスターは、それができなかったために、もはや存在すらしていません。時代の変化に合わせて、イノベーションを止めないことが成功の秘訣なのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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