自身の価値を最大化する 最強キャリアアップ術 自分広報力(金山亮)の書評

two men in suit sitting on sofa

自身の価値を最大化する 最強キャリアアップ術 自分広報力
金山亮
イースト・プレス

本書の要約

「自分広報力」を持てばやりがいのある仕事を任せられ 期待以上の成長につながります。「自分広報力」は、次の3つの要素から構成されると言います。①ポジショニング ②メッセージ思考 ③アスピレーションの3つのスキルを鍛えることで、ビジネスがうまくいくだけでなく、リーダーシップも養えます。

自分広報力を鍛える理由

これからは、一人ひとりが、会社や組織に依存することなく、「自分株式会社」のCEOとして自らのキャリアを切り拓いていくことが求められる時代になります。(金山亮)

日本での働き方が変わる中で、パーソナルブランディングの重要性が指摘されています。ジョブ型雇用が増えていくことは間違いないのですから、自分のスキルを明らかにし、自分の市場価値を高めることを行えば、収入を確実にアップできます。

SNSやコンテンツマーケティングがあたりまえになっていますが、独善的な自己PRだけだと他者からの共感を得られません。周りの人に貢献できる自分の価値を明らかにし、それを積極的に広報していくべきです。他者視点で自分を捉え直し、広報することで周りの人から仕事をオファーしてもらえるようになります。

私は16年前に断酒を行い、自分の人生を変えることを決めました。まず、自分のスキルを棚卸しし、マーケティングに関する情報発信をソーシャルメディアでスタートしました。継続は力なりで、クライアントの課題解決につながる情報発信を続けるうちに、著者になることができました。

その後、ベンチャー企業の上場支援というポジショニングを明確にすることで、社外取締役やアドバイザーとして独立を果たしました。自分広報力を鍛えることが、私のキャリアアップにつながり、自分株式会社のCEOになれたのです。周囲の人たちに貢献できる価値を明確にすることで、他者から応援(PR)してもらえるようになります。

終身雇用が転換期を迎える中、副業や独立を考える人も多いと思います。主体的にキャリアデザインを行い、仕事を得るためには、自分広報力が必須のスキルになっています。今こそ、ビジネスパーソンは、自分広報力を身につけるべきです。

同じことを同じようにやっていても、「自分広報力」があるかどうかによって、現在の仕事に対する評価や、将来にわたるキャリア展開の可能性、それによる市場価値の増減などが左右される時代がやってくるのです。

著者の金山亮氏は「自分広報力」は、次の3つの要素から構成されると言います。
①ポジショニング
②メッセージ思考
③アスピレーション

「自分広報力」の3つの要素

①ポジショニング
「自分広報力」を鍛えるためには、まず、自分のポジショニングを抑えましょう。社内やお客様との間で自分の「ポジショニング」となり得る機会を見つけ出し、Win-Winの関係を構築します。クライアントや周囲のメンバーが抱える課題・関心事や困りごととあなたが持つ知見やスキルとが掛け合わされるテーマを見出し、それを軸として自分自身の「立ち位置」を固めていきます。

「自分広報力」を持てばやりがいのある仕事を任せられ 期待以上の成長につながります。私も社外役員として上場を経験することで、マーケティング以外のスキルを高めることができました。実際に経営に携わることで、視座が高まるだけでなく、財務や会計、資金調達の知識を身につけることで、貢献の幅が広がりました。

著者が指摘するように自分広報力を身につけることで、自分を成長させられるのですから、まずは、自分のポジションを明確にすることからスタートしましょう。

ひとたび周囲が共感するテーマや課題が設定され、それと自分が提供し得る価値とが掛け合わされる形で「ポジショニング」がつくられると、あなたの行動や発信が周囲にとって「役に立つこと」「意味のあること」として波及力をもって伝わるようになっていきます。そうなると、周囲が放っておかなくなり、どんどん面白い仕事の相談が舞い込みます。

この「ポジショニング」さえできれば、周りの人があなたのPRを買って出てくれます。他人にとって価値のあるものを生み出し、それを他者に発信してもらうことで、自分をオンリーワンの存在に変えられます。

ポジショニングを考える際には、以下の4つの役割から考えてみましょう。
・救済者・・・他者の課題やタスクを自ら引き受ける
・代弁者・・・現場の課題や成果をデータを使って、わかりやすく説明する
・調整者・・・組織の壁を解消するコミュニケーションを行う
・開拓者・・・真の課題解決に向けて一歩先を示し、周囲を巻き込み新たな取組を立ち上げる

ポジショニングを明確にし、周囲の役に立つようになることで、徐々に大きな課題にチャレンジできるようになります。自分広報力を高めることで大きなビジネスが舞い込むようになり、リーダーシップを発揮できるようになります。

②メッセージ思考

一定のパターンに沿ったメッセージの組み立て方や使い方を習得することで、相手の意識や行動に働きかけ、意図した成果を導き出すための有効な発信やコミュニケーションを実践できるようになります。

メッセージ→相手の思い込みや固定観念を打ち破り、相手にこちらの目的に沿った意識や行動の変化を起こさせる言葉。

将来仮説→ソリューション→差別化の流れでメッセージ開発を行うと、周りの人が行動を起こしてくれるようになります。この3要素に事実、データ、事例などのプルーフポイントを加えること、相手の関心事を押さえることで、より多くの人から共感してもらえるようになります。

「メッセージ思考」をフル稼働させて、 あるべき姿を伝え、周囲のメンバーを巻き込こむことで、変革をスピーディに実現できるようになるのです。

リーダーが正しくメッセージ発信することで、社員をひとつにまとめることができ、組織変革を加速できます。
変革の必要性→一人ひとりに求められる変化→(リーダーが)提供できるサポートという流れで、話すことで社員のマインドセットを変えられます。

マイクロソフトのサティア・ナデラやソニーの平井一夫氏も同じようにメッセージを発信することで、社内変革を成功させたのです。(サティア・ナデラの詳しい記事はこちらから

③アスピレーション

あなたの内発的な希いに裏打ちされた、「志」や「大義」を示すことで、「自分広報力」がさらに高まり、より多くのメンバーを束ねて大きな成果を生み出す原動力になります。

「アスピレーション」とは、外から与えられた動機づけではなく、自分の中から湧き上がってくる内発的な「志」「大義」になります。自分のパーパスを明らかにすることで、あなたのもとに真の共感者が集まってきます。 パッションのあるアスピレーションが、周囲の人を動かし、無理だと思っていたビジョンを実現してくれます。

多くの起業家が自分の志のある夢を語ることで、共感者を増やしています。パーパスをメッセージ化することで、真のリーダーとしての求心力を高ることができるのです。

リーダーとしてのあなた自身が考える「正しい事」(the right things)について、なぜそれが「正しい事」だと思うのかを自分の心に繰り返し問いかけてみてください。そうした自分との対話を通じて、あなた自身が考える、自分の所属部門や会社の「あるべき姿」、ビジネスや社会の「あるべき姿」、一人ひとりのライフスタイルや働き方の「あるべき姿」など、あなたが心から願っている何かが具体的にイメージできるようになれば、それがあなたにとっての「アスピレーション」の原点になるはずです。

一人ひとりがパーパスを語り、互いのビジネスに貢献することで、お互いの力を引き出す社会(協働する社会)が実現します。

より多くの人がアスピレーションを持つことで、日本の閉塞感を打破できます。高い志とあきらめない心さえあれば、さまざまなハードシングスを仲間とともに乗り越えることができます。アスピレーションを持つ起業家やリーダーが増えることで、日本を元気にできそうです。

Loading Facebook Comments ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました