イノベーションを起こすための3つのつながりとは?イノベーションは日々の仕事のなかにの書評

people eating inside of cafeteria during daytime

イノベーションは日々の仕事のなかに――価値ある変化のしかけ方
パディ・ミラー, トーマス・ウェデル=ウェデルスボルグ
英治出版

イノベーションは日々の仕事のなかにの要約

同僚や既存の顧客とのつながりを深めることで、新しいアイデアを生み出すことができます。しかし、情報源は外にもあります。新しくて興味深いアイデアを発見するためには、今まで接点のなかった未知なる分野に目を向けることです。関連性がないような新しい領域に部下が触れることで、斬新なアイデアが生まれるようになります。

イノベーションに必要なインサイト創出の場とは?

大切なのは、イノベーションを追求しようとする企業が偶然ではなく意図的に創造性を発揮し、創造空間を継続利用することだ。「インサイト創出の場」のーつとして、企業は積極的に、創造空間を職場内に設けなければならないのである。(パディ・ミラー, トーマス・ウェデル=ウェデルスボルグ)

イノベーションは企業の進化と発展にとって不可欠な要素です。これを実現するためには、創造性が生まれ育つ環境、すなわち「創造空間」の確保が必要です。この空間は、新しいアイデアや洞察を育むための肥沃な土壌となります。

イノベーションのプロセスは、世界中に散らばる知識や経験といったパズルのピースを組み合わせることに喩えることができます。これらは書籍、報告書、他の資料、または人々の頭の中に存在する情報から集められます。

例えば、車輪付きスーツケースの開発は、バーナード・サドウによる洞察から始まりました。彼は、空港での人々のペインを観察し、彼らの負担を軽減するために、1972年にイノベーティブな製品(車輪付きのスーツケース)を市場に投入しました。彼のアイデアは、旅行者の移動を容易にしました。

その後、ロバート・プラスはこのコンセプトを進化させ、1987年により使いやすいスーツケースを発明しました。彼はスーツケースを横向き配置に配置し、伸縮ハンドルを導入しました。この「ロールアップロード」は航空業界で大成功を収め、旅行体験を一新しました。

これらの例は、異なる要素の組み合わせと創造的思考がいかにして新たな価値を生み出すかを示しています。要素(かばん)と要素(車輪)と要素(ハンドル)を組み合わせることで、2人は旅行者の移動の際のペインを取り除き、顧客体験を高めました。

イノベーションは、さまざまな知識やアイデアの融合によって実現されます。 そのため、企業がイノベーションを促進するには、従業員が他者とつながり、コラボレーションを行える環境の提供が重要です。

これには、開放的で協力的な企業文化の構築、イノベーションを支持するリーダーシップの展開が必要です。創造性を育むことで、企業は競争上の優位性を築き、持続可能な成長を実現することができます。

イノベーションを起こすためには、リーダーは以下の3つのつながりを生み出すべきだと述べています。
①従業員と顧客のつながり
②従業員同士のつながり 部下と同僚のつながり
③部下と関連性のない未知とのつがなり 外部(異業種)とのつながり

イノベーションを起こすための3つのつながりとは?

①従業員と顧客のつながり
まずは、従業員と顧客との間のつながりを深めることから始めましょう。顧客の課題を把握し、それに沿った商品やサービスを開発するようにします。顧客と密接にコミュニケーションを取り、顧客のペインを見つけることで、ビジネスの可能性が広がります。時には顧客を自社に招き、違ったアプローチで顧客の本音を聴き出すことも有効です。

②従業員同士のつながり 部下と同僚のつながり
次に、従業員同士のつながりに焦点を当てます。チーム内で積極的に協力し、アイデアを共有することで、新たな視点や方法論が浮かび上がることでしょう。同僚と積極的に意見を交換し、互いにフィードバックを提供することで、さらに価値あるインサイトを導き出すことが可能です。

会議に異なる部門のメンバーを招くことで、新たな相互作用が生まれます。形式にとらわれなければ、もっと気軽なやり取りが可能になり、アイデアの可能性が広がります。例えば、他部門の人と毎月一回、非公式なランチミーティングを設定することで、新しい視点や情報を共有するチャンスが増えます。

同僚と既存顧客は、新たなインサイトを容易に得られる大切な情報源だ。しかし情報源はほかにもある。最も興味深いアイデアを見いだすには、まったく接点のなかった無関係な世界で、欠けたパズルのピースを探さなければならない場合もある。関連性のない新たな世界と部下を定期的につなげることで、彼らに多くのピースを集めさせ、そのなかから真に独創的なインサイトを見いだすことが可能になる。

③部下と関連性のない未知とのつがなり 外部(異業種)とのつながり
最後に、従業員とそれまで関わりのなかった新しい分野や異業種とのつながりを探求します。異なる業界や専門分野の人々と接触し、彼らから新しいアイデアや刺激を受けることで、目新しいインサイトを得ることができます。

SNSのつながりやインターネットの情報を活用することも有効です。私はアイデアを得るため、Facebookのメッセンジャーで様々な専門家とミーティングを設定します。外部に多様なアンテナを立てることで、アイデアに必要な要素や新しい組み合わせが見つかります。

日々、読書を通じて得た知識をブログに書き出すことで、新たな人々との出会いが増えてきました。経営者、教授、マーケティングの専門家、起業家など、多様な背景を持つ人々からの助言を受けることにより、私のアイデアの範囲と質が大きく向上したことは間違いありません。このプロセスは、思考の深化と同時に、私のネットワークの拡大にも貢献しています。

これらのつながりを重視し、創造空間を広げることにより、「インサイト創出の場」を形成することができます。チーム全員での協力や異なる分野との連携を促進することにより、新たな価値を生み出し、ビジネスの持続的な成長を実現できるでしょう。

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