コミュニケーションはアントレプレナーにとって値千金のスキルだ。(リチャード・ブランソン)
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起業にもストーリー力が必要?
カーマイン・ガロの伝え方大全 AI時代に必要なのはIQよりも説得力の書評を続けます。イノーベターやアントレプレナーとして成功したければ、ストーリー力を身につけたほうがよさそうです。テクノロジーが進化する中で、多くの仕事がAIやロボティクスに置き換えられていきます。ビジネスの分野で活躍したければ、人間性を理解すると同時に、コミュニケーション力をアップさせる必要があります。
シリコンバレーの投資家として活躍するスコット・ハートレーは、アントレプレナーは様々な知識や体験、コミュニケーション力を高めるべきだと述べています。
今後、技術がもっと進化するなかで仕事をしていくには、人間性を追求すること、特に、リベラルアーツから派生するようなソフト系スキルを高めていくのが最善手です……世の中に存在する大きな問題を解決するには、コードだけでなく、人間そのものをよく理解する必要があります。すから。倫理もデータも必要、深く考える人間もディープラーニングのAIも必要なのです。(スコット・ハートレー)
ユニリーバ社に10億ドルで買収された南カリフォルニアのスタートアップ、ダラーシェーブクラブは、ダイレクト販売で成功した会社です。、イーミュージック・ドット・コムの元CEOで同社の支援者のベンチャーキャピタル、ベンロックのパートナーでもあるデイビッド・パックマンはダラーシェーブクラブの創業者マイケル・ダブリンの動画を見て驚きます。
この動画で、ダブリンは、販売しているカミソリの刃を「くっそすごい」と表現し、ユーチューブ投稿から3カ月で500万回近い閲覧数を獲得しました。多くのユーザーは、カミソリの刃の値段は高すぎるしすごく不便だとが感じています。新たな消費者はソーシャルメディアを中心に暮らすようになったというのに、老舗企業は従来型メディアを通じて商品のメッセージを発信しています。ダブリンはソーシャルメディアを味方につけ、商品を宣伝したのです。
「歴史のあるブランドがこれでもかとテレビ広告で叫び続けている時代に、どうすればコンテンツと会話をマーケティングツールとして使えるのか、ダブリンは直感的に把握していたのだ。(デイビッド・パックマン)
ユーザーとの「会話ブランド」になるためには、フェイスブックページやツイッターを使いこなす必要があります。会話するためには、顧客について知り、顧客と関係を築かなければならないのです。ダラーシェーブクラブの動画は、ユーザー自身の生活を表現しているので、とても印象的です。メッセージも話し言葉が使われ、笑いを誘う演出が施されています。
アントレプレナー、マイケル・ダブリンは伝える力で投資家をうならせましたが、そのスキルは、ニュースプロデューサーとお笑い芸人の仕事でつちかってきました。デジタルニュースのプロデューサーとして、ダブリンは幅広い聞き手に訴える文章の書き方を学んだのです。
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起業家にコミュニケーションスキルが必要な理由
事業を立ちあげ、新しいアイデアを語るにあたり、多くの人に覚えてもらえるほうが成功の可能性は高くなる。(マイケル・ダブリン)
ダブリンはニューヨーク市にあるアップライト・シチズンズ・ブリゲードで、即興コメディを8年間学んでいます。即興コメディが事業計画の策定やユーモラスな動画で共感してもらうことにも役立ったと言います。
彼はお笑いのテクニックと文章力、ソーシャルメディアを活用することで、投資家やユーザーを虜にしたのです。
いまはソーシャルメディアで注意力が細切れになっており、その時代に生きるブランドは、話し言葉で上手に語る必要がありますし、みんなが見たいと思うようなコンテンツを用意する必要があります。そうでなければ、見向きもされません。
このコミュニケーション戦略によって、ジレットが115年にわたって支配してきたカテゴリーで、ダラーシェーブクラブは、5年で5%の市場シエアを獲得しました。ダラーシェーブクラブ成功の秘密は、ソーシャルメディアをコンテンツ制作や対話のツールにしたことです。
この100年間、消費者は、基本的に、新聞数紙に雑誌数冊、テレビ数チャンネルしかない生活を送ってきました。ジレットが長い間繁栄できたのは、マスメディアに大量に広告を投下してきたからなのです。しかし、この10年で時代は変わり、双方向のコミュニケーションが重要になったのです。
マイケル・ダブリンというアントレプレナーは、ソーシャルメディアを活用することに長けており、インスタグラム、フェイスブック、ツイッター、ユーチューブなどをうまく活用しました。ダラーシェーブクラブが使っているソーシャルメディアには顧客の体験談がたくさん書かれています。同社とのつながりのある顧客がフィードバックをしたり、新たな顧客を呼び込む推奨者になっています。マイケル・ダブリンは伝統ある競合他社にソフトスキルで差をつけた5つ星のアントレプレナーなのです。
米国では、毎年、60万件もの事業が新たに立ちあげられている。そのうち、ベンチャーキャピタルから資金を得られるのは5%のみ。ベンチャーキャピタリストというのはシード段階の会社に平均で260万ドルも投資する人々であり、選別の目が厳しい。また、賭けのほとんどに負けることもよく知っており、ピッチ400件に1件しか投資しない。アントレプレナーはアイデアを売り込む、売上を伸ばす、顧客を惹きつける、そして、優れた従業員を集める、仕事を続けてもらう、仕事に全力を傾けてもらうとさまざまな難問に対処しなければならないわけだが、一流投資家によると、説得の技を身につけている人ほどそういう対処が上手にできる可能性が高い。
ウーバーに投資したことで有名なベンチマークキャピタルのビル・ガーリーは 、魅力的なストーリーが語れれば「いい人を採用できる……メディアがひいきにしてくれる……資金が調達しやすい……驚くような事業提携がまとめられる、求心力のある企業文化が生みだせる」と指摘します。アントレプレナーは魅力的なアイデアを作ると同時にストーリー力を鍛える必要があるのです。
まとめ
アントレプレナーにとっていちばん大事なのは伝える力なのです。伝える力があればこそ、人と人がつながれますし、学びや成長、進歩が得られるわけです。起業家はストーリー力を鍛えることで、出資、人材獲得、コミュニティ形成、PRなどで多くのメリットを得られ、短期間で成功を手に入れられます。
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