未来創造戦略ワークブック 30年後のビジネスを「妄想・構想・実装」する
河瀬誠
日本実業出版社
本書の要約
イノベーションを実現するためには、常に新しい情報やトレンドを把握することが欠かせません。未来予測に関する知識を取り入れ、ビジネス戦略を立案することが重要です。また、妄想や構想、実装のステップを踏むことで、新規事業での成功を手に入れることができます。
「未来創造戦略」とはなにか?
環境変化に対応して未来を創り出してこそ、会社や組織は存続し、成長することができる。(河瀬誠)
現在、私たちが生きている世界は、まるでSFのように進化し続けています。新しいテクノロジーや社会変化が瞬く間に広がり、常に何かが進歩し続けています。このような変化が起こる中で、従来の仕事や事業をただ継続するだけでは、時代の流れに取り残され、生き残ることが難しくなってしまいます。さらに、自分たちのいる業界そのものが消え去る可能性すらあるのです。
もし、現在の仕事や事業がそのまま続くと考えているのであれば、それは非常に危険なことです。いくら改善や改革を続けても、それが業界が消滅してしまうような未来に繋がってしまった場合には、生き残ることができません。だからこそ、常に未来を見据え、変化に柔軟に対応できる戦略を考え、実行することが求められているのです。
「未来創造戦略」とは、自社が20年後や30年後にも繁栄し続けるために、将来のビジネスを戦略的に考え、実行に移すことです。新しい事業を開発するには、数年から十数年という長期的な視点で計画を立てる必要があります。ただ単に今現在のビジネスを維持するだけでは、将来にわたって繁栄することはできません。
未来創造戦略は、将来の自社の柱となるようなビジネスを開発することに焦点を当てているため、長期的な視点で企業存続につながります。
SFのような世界が現実になる中、私たちが目の当たりにするテクノロジーは、妄想・空想・想像・予想から生まれたものであることが多いことを忘れないようにしましょう。例えば、スマートフォンやタブレット端末などのモバイルデバイスは、SF作品で描かれていたような情報端末のイメージを実現したものです。
テクノロジーの進化は、私たちの生活を変えるだけでなく、ビジネスにおいても大きな変化をもたらしています。新しいビジネスモデルやサービスの提供が可能になり、従来のビジネスの枠組みを超えた新たなビジネスが誕生しているのです。
変化の激しい現代においては、妄想する勇気、SF的に飛躍する発想が重要になってきています。
「妄想」できない会社と組織は消滅する。
未来には、今の私たちには想像もつかないような驚くべき発展があるでしょう。一方で、会社や組織は、過去に培われた「常識」に基づいて運営されることが多く、未来に向けたアイデアや「妄想」に対して抵抗を感じることがあります。
しかし、過去の「常識」にとらわれずに、未来を見据えたイノベーションに取り組むことが、会社や事業を存続させるためには必要です。過去の成功にとらわれずに、未来を見据え、新しいアイデアや「妄想」に取り組むことが、将来の成長と発展につながります。
未来を創り出すための4つのD
どんな未来が来るかは正確にはわからないにせよ、今なら「妄想」でしかないことが、未来では実現している可能性が高い。「未来の現実」とは、今の「常識」から考えると「妄想」だといえる。未来を創り出すためには、こうした「妄想」がスタートになる。
著者は、ビジネスを成功に導くための4つの「D」を明らかにしており、未来を創造するためには「DREAM(妄想)」が不可欠であることを強調しています。
①Discover
発見=未来予測をインプットし、新たな発見からアイデアづくりをスタートします。
②Dream
妄想=現在の枠を外して、具体的な未来を妄想します。
③Design
構想=パーパスで未来を構想する👉仲間を集めるパーパスを語ることで、不可能なことが可能になります。野望をビジネスモデルにしていくことで、妄想が実現します。
④Drive(実装)
目指すビジョンを描き、未来に向けた一歩を踏み出します。
これらの4つのステップを正しく実行することで、新しいアイデアやビジネスモデルを生み出し、競合他社との差別化を図ることができます。
未来創造には、「甘い妄想」と「手堅い実装」の両方が必要だ。前者が欠けると、ワクワクする未来が描けないし、後者が欠けると描いた未来が実現できない。
イノベーションを実現するためには、もうひとつの「D」である組織・人材のDevelopmentが欠かせません。組織や人材の成長・発展を促すことで、より多くのアイデアや知識を生み出し、イノベーションに必要な人材を確保することができます。
また、イノベーションを実現するためには、妄想や構想、実装を行うための適切な環境を整えることが重要です。創造的なアイデアを出しやすい環境を整え、実装するためのプロセスを確立することで、イノベーションの成功確率を高めることができます。
未来など簡単に創造できない。事業を構想し、仲間を集め、関係者の利害を調整し、関係者の協力を得てトラブルを乗り越えていく。
未来を創造することは、経営者の重要な責任の一つです。経営者は、自分自身や組織を進化させるために積極的に取り組むことが必要です。この責任を果たすためには、決して逃げずに、率先して行動を起こすことが大切です。
経営者はこれまでのやり方に固執することなく、妄想や新たなテクノロジーを取り入れることで、自社の成長を促進できるようになります。
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