1万時間の法則で私たちが絶対に見落としてはいけないこと!

世界レベルのパフォーマンスは、1万時間の練習の結果生まれると考えるようになった。だがそれは間違いだ。1万時間のより考えられた練習と、1万2500時間の戦略的休息と、3万時間の睡眠の結果、それは生まれる。(アレックス・スジョン-キム・パン)


photo credit: cseeman Saline Fiddlers Philharmonic at Pittsfield Township Harvest Festival (September 17, 2017 in Saline, Michigan) via photopin (license)

有名な1万時間の法則はここから生まれた!

力ール・アンダース・エリクソンとラルフ・クランペ
クレメンス・テシュ=レーマーは
1980年代にベルリンのハンス・アイスラー音楽大学で
バイオリンを専攻する学生を対象とする研究を行いました。
3人は、優秀な学生と普通の学生には
練習のやり方に大きな違いがあることに気づきました。

優秀な学生は、人並み以上に練習しているだけでなく、
より考えられた練習をしていたことがわかったのです。
彼らは全身全霊を傾け、自分のパフォーマンスをアップするために
考えながら、バイオリンの練習を行いました。
必ず明確な目標を持ち、練習を通じて
良いフィードバックを得ながら
絶えず、上達する方法を見つけていたのです。

退屈な練習を根気強く続けるには、理由が必要ですが
彼らはこの長い努力が必ず報われると確信していました。
自分は今、職業上の成功の可能性を高めているだけでなく
プロとしての、そしてひとりの人間としてのアイデンティティーを
懸命に築いていると自覚していたのです。
練習によって彼らは自分の価値を高められると信じて
つらい練習を日課にし、日々の努力を重ねていました。
そして、彼らの練習時間と結果に注目が集まり
一冊の有名な本が出版されました。

マルコム・グラッドウェルは3人の研究を元に
天才! 成功する人々の法則を執筆しました。
超一流になるためには、1万時間の練習が必要だという考え方が
ここから世の中に広まっていきました。
伝説的なチエスプレーヤーのボビー・フィッシャー
マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツやビートルズなど
誰もが世に名前を知られるようになるまでに
1万時間を費やしたというアイデアを彼は紹介しました。

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1万時間の法則で見落としてはいけないこと!

しかし、3人の研究結果の中に
マルコム・グラッドウェル
をはじめ多くの人々が
見逃した1つの事実がありました。
それが練習のし過ぎによる衰弱や燃え尽きです。
アレックス・スジョン-キム・パン
シリコンバレー式 よい休息の中で以下のように指摘しています。

「より考えられた練習」は、「努力を要する行為であり、限られた時間しか続けられない」ということだ。練習が足りなければ、超一流にはなれない。しかし、練習が多すぎると、けがをしたり、精神が衰弱したり、燃え尽きたりしかねない。(アレックス・スジョン-キム・パン)

成功した学生たちは、極度の疲労を避けるために
練習量を上手にコントロールしていました。
彼らの1回の練習時間は、決して長くはありませんでした。
彼らは必ず30分の休憩をはさみながら
1回の練習がおよそ80分から90分になるように工夫していました。
こうした練習を何回か繰り返して
1日に約4時間程度を練習に費やしていたのです。

練習に集中して、真剣に取り組むためには
1日に4時間程度が限界であることを彼らは実感していました。
より考えられた練習には、集中力が必要で
それを維持できる時間には限界がありますから
おのずと練習時間は1日に4時間程度に収斂されます。

ハンス・アイスラー音楽大学の優秀な学生と凡庸な学生には
練習時間の他にもう一つ大きな違いがありました。
実は、優秀な学生は、そうでない学生に比べて
1日の睡眠時間がおよそ1時間長かったのです。
彼らは練習の合間に昼寝を取るようにしていました。
一般に優秀な学生は、午前中に厳しい練習を長時間行い
午後に昼寝をとり、午後遅くか夜に2度目の練習をしていたのです。

グラッドウエルはエリクソンの研究結果の
この昼寝の部分を見落としていました。
誰もがこの研究の重要な要素の睡眠と余暇に関する話をスルーし
1万時間の法則の練習の部分だけに注目していたのです。

世界的レベルのパフォーマンスについて研究する人は、学生が体育館や競技場や練習室でやっていることばかりに注目する。誰もが、はっきりと表に現れて測定可能な行動のみに注目し、それをより効果的で生産性の高いものに改善しようとする。

成功するためには、1万時間の質の高い練習だけでなく
昼寝や休息が欠かせないのです。
1日に4時間しか集中できないと割り切り
朝2時間、午後2時間集中する時間を持ちましょう。
その間に昼寝を挟むのが理想かもしれません。

まとめ

ハンス・アイスラー音楽大学に関する研究は注目を集め
1万時間の法則が世の中に広まりました。
しかし、優秀な学生は練習ばかりをしていたわけでなく
休息をしっかりととっていました。
考えられた練習と休息の組み合わせによって
学生たちは人並み以上の結果を残せるようになったのです。
彼らが凡庸な仲間よりも平均で1時間長く寝ていることや
昼寝や長い休憩をとっていることを忘れずにしたいものです。
集中と休息によって、人は成功を手に入れられるのです。
1万時間のより考えられた練習と1万2500時間の戦略的休息と
3万時間の睡眠を組み合わせることで
私たちは人とは異なるステージに進めるのです。

参考記事 成功した作家たちの共通点「4時間執筆」の法則を見習おう!
1万時間の量を確保し、質を高めることで、自分を成功させる方法。
参考図書 アレックス・スジョン-キム・パンシリコンバレー式 よい休息 

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

      

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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