誰とでもどこででも働ける 最強の仕事術(山葉隆久)の書評

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誰とでもどこででも働ける 最強の仕事術
山葉隆久
自由国民社

本書の要約

人生を楽しむためには、自分の生産性を高めることが重要です。生産性を高めることで、自分の好きなことにさらに多くの時間を割くことができるだけでなく、より多くの経験を積むこともできます。経験は未来の自分に役立ちます。私たちは様々な経験から生まれる偶然をチャンスと捉え、積極的に行動することが大切です。

生産性を高めるための7つのルール

生産性の高い人材になれ!(山葉隆久)

山葉隆久氏は、本書の中で、生産性や市場価値を高めるためのヒントを教えてくれます。山葉氏は非常に豊富な経験を持つ経営アドバイザーであり、半導体業界で40年間サラリーマンや役員としての経験を積みます。

また、著者は自分の職場がなくなるという経験をします。勤めていたヤマハの半導体工場がM&Aされ、ロームに転籍する中で、自分の人生を棚卸しし、生産性の高い人になることを目指します。

生産性の高いできる人間(ポータブルスキルを獲得した人)になるためには、学習と経験が必要だと山葉氏は指摘しています。知識と体験がビジネスのスピードをアップし、質を高めてくれます。

生産性が向上することで、自分の好きなことにさらに多くの時間を割くことができるだけでなく、より多くの経験を積むことができます。その積み重ねた経験が、将来の自分にとって有益なものとなり、自分のキャリアを高めてくれるのです。

著者は本書で、日々の習慣を見直して生産性を上げる7つのルールを明らかにしています。
・ルール1 学んだことを仕事で繰り返し使ってみる。
・ルール2 知らないことに出くわしたら、ごまかしたり分かったふりをせずに調べて理解する 
・ルール3 自分の実績を形にして、外から見えるようにする 
・ルール4 目標とする人を真似て、少しでも近づいてみる 
・ルール5 自分には無いものを持つ人の行動や考え方を真似て、自分に足りないものを補充する 
・ルール6 上司になったつもりで語って、その立場になる自分を訓練する 
・ルール7 人との出会いに感謝し、いざという時に頼りになる人を増やす。肝はギブ&ギヴ。

将来は何が起きるか分かりません。今までに醸成された人間関係を振り返って、あらためて大事にしていただきたいと思います。

人との出会いは、将来の予測困難な出来事に備えるためにも重要です。そのため、感謝の気持ちを持ち、いざという時に頼りになる人を増やすことが肝要です。人間関係はギブ&ギヴの原則に基づいて成り立ちます。過去に醸成された関係を振り返ることで、大切さを再認識することができます。ミドル世代は会社の肩書がなくなることを前提に、ギブの精神を持って、人との絆を大切にすることで、未来の仕事をよりよくできます。

また、人とのつながりを大切にし、自発的にコミュニケーションを取ることで、新たな人間関係を築くことができます。 また、人間関係を大切にすることは、将来の不測の事態に備える意味でも重要です。人脈が広く問題解決のための情報や支援を提供してくれる頼りになる人を持っていると、困難な状況でも冷静に対処することができます。そのためには、お互いに支え合い、信頼関係を築くことが必要です。

人との出会いに感謝し、大切にする姿勢を持つことは、成長にも繋がります。新たな人間関係を通して、多様な経験や知識を得ることができます。また、異なる意見や視点に触れることで、自分自身の考え方や価値観を見つめ直す機会にもなります。 

計画的偶発性理論の重要性

私は、「目の前の課題に精一杯対応してきた。それが解決すると、また新しい局面が現れて、そこの課題に精一杯対応してきた。その繰り返しだった」と、答えました。正直な気持ちです。このやり方に後悔していませんし、他人にも自信持って話せる内容です。

著者の山葉隆久氏は、彼の人生を変える出来事には偶然の要素が絡んでいることに気づきました。そのため、彼は同じような考えを持つ人々がいるかを調査し、クランボルツ博士の計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)に出会いました。

この理論は、私たちの人生や出来事が完全に予測可能ではなく、偶然の要素が絡むことを示唆しています。つまり、偶然の力は私たちの人生において重要な役割を果たす可能性があります。

著者の山葉氏は、計画的偶発性理論通りの人生を生きることで、今の地位を築いてきたと言います。進む道が変わるきっかけは、恩師の言葉、読んだ本、受けた講義、配属辞令、ヘッドハンティング、論文採択や学会で知り合った友人、まさかの工場閉鎖そして買収など、いずれも偶然の出来事だったのです。

クランボルツ教授らによると、18歳で希望していた職業に実際に就いた人の比率はわずか2%に過ぎないそうです。遠い未来のキャリアを設計し、逆算するよりも、思わぬ機会からチャンスを掴み、それを自身のキャリアに結びつけるというアプローチが提唱されています。この理論の主旨は、キャリア形成の80%は偶然によって左右されるということです。夢や目標は偶然の出会いから生まれ、絶えず進化していきます。

計画的偶発性理論では、成功への道筋として5つの要素が挙げられています。
●新しい出会いに対する「好奇心」を保ち続けること
●新しい機会が訪れたら、「冒険心」をもって一歩踏み出すこと
●失敗を経験しても、前向きな態度を維持する「楽観性」を持つこと
●納得のいく結果が得られるまでやり続ける「持続性」を保つこと
●他人の意見や新たな視点を受け入れる「柔軟性」を持つこと

人生何が起こるか分かりません。分からないのは不安でもありますが、分からないからこそ、好機が巡ってくる可能性があります。立ち止まらず引きこもらず、興味ある進路への一歩をまず踏み出すことが大切です。そしてその可能性にかけてみる価値が、人生にはあります。

人生では何が起きるか予測することは難しいです。この未知性は一面で不安を引き起こしますが、同時に予期せぬ好機が巡ってくる可能性も秘めています。だからこそ、立ち止まることなく、閉じこもることなく、興味のある道に一歩を踏み出すことが重要です。そして、その一歩が開く可能性に賭けてみることこそが、人生の価値を高めます。

これは計画的偶発性理論が示唆する道筋でもあります。このブログでも何度も計画的偶発性理論について取り上げていますが、著者の話を読むこと、自分の体験と重ね合わせることで、偶然の力の素晴らしさを今回、再認識できました。


この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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