問いかけが仕事を創る (野々村 健一)の書評

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問いかけが仕事を創る
野々村 健一
KADOKAWA

問いかけが仕事を創る (野々村 健一)の要約

生成AI時代に0→1の発想を生み出すためには、「問いかける力」が必要です。問いかけることで、ポジティブな思考や創造力を引き出し、新たなアイデアや解決策を導くことができます。これからのビジネスにおいては、問いかける力を磨くことが不可欠です。

問いかけが重要な理由

イノベーションを起こすのは、「常識にとらわれずに本質的な問いを立て、行動し続ける人たちである」と気づかされたのです。(野々村健一)

AIの進化が私たちの働き方を劇的に変えています。そんなAI時代に必要なスキルは何なのでしょうか?

実際、AIは膨大な量のデータを迅速に処理し、論理的な結論を導き出す能力に長けています。しかし、AIの能力にも限界があり、新しい発想や創造性を持ちません。 現代ビジネスでは、単に正解を見つけるだけでなく、0から1を生み出す、新しいアイデアや視点の創出が必要とされています。これを達成するためには、「問いかける力」が重要です。

問いかけることにより、多様な視点やアプローチを考えることが可能になります。 例えば、ヒット商品が生まれない理由を問う場合、過去のデータや市場動向を分析することで答えを見つけようとします。

問いかけることで、ポジティブな思考が促され、新しいアイデアの質と量が増加し、解決策が見つかります。問いかける力はイノベーションを生むための重要なステップであり、未来の可能性を探求し、新たな価値を創造するためには、常に問いかける姿勢が求められます。

生成AIの時代であっても、思考力と創造性は重要な要素です。AIはデータ処理や答え探しの一部を担うものの、問いかけることで人間の感性や直感を活かし、新たな価値を創出することができます。そのため、ビジネスでは問いかける力を持つことが不可欠です。

「問いかけ」を重視する組織では、すなわち、そこで働く個人も同じように自身の仕事や生活の中で同様の視点を持って「問いかける」癖がついている必要があります。

組織をイノベーティブにするためには、「素早く変化に対応できる体質」を育む必要があります。不確実性が高まる中で、未来を正確に予測することは困難になっています。誰も予想しない変化が起こる現代では、未来を予測するよりも自ら創り出す方が確実です。 デザイン思考を用いて問いを考えることで、イノベーションを生み出しやすくなります。

デザイン思考のフレームワークである「好奇心を持って観察すること」「解釈を加えること」「異なる観察結果と接点を形成すること」は、「How Might We」にたどり着くための重要なステップです。このメソッドはパーパスを生み出すことにもつながり、顧客や社員から共感されるようになります。

IDEOの「クリエイティブ・ディファレンス」では、次の6つのパラメータが使用されます。
①Purpose(企業の使命や存在意義)
②Looking Out(外の世界への関心)
③Experimentation(実験と失敗の許容)
④Collaboration(コラボレーションの促進)
⑤Empowerment(自律性と能動性)
⑥Refinement(思い描いたところから実行への流れの洗練)。

問いかけからアイデアが生まれ、プロトタイプを作ることで、さらに質の高い問いかけが生まれます。このプロセスを続けることで、実験の方法も進化し、新たなイノベーションが生まれる可能性が高まります。

AI時代に必要なスキルとは?

AI時代に「今後、より重要になる」と感じている要素を挙げておきます。 「身体性」「共感性/好奇心」「価値観のアップデート」「未来を想う力」です。

 AIがますます進化し、私たちの生活に深く関与するようになる中で、AI時代に必要な要素が変わってきます。生成AI時代にこそ必要な「思考」と「創造力」は、すべて“問い”から始まるのです。

AIが進化し、ますます複雑なタスクをこなすようになる中で、人間の役割も変わってきています。AIが情報を提供し、解析してくれる一方で、私たちはその結果を問い、新たな問題を見つけ出すことが求められます。

その際、重要になるのが身体性です。実際に経験したり、目にしたことがあることには、大きな説得力があります。経験から得られる知識は、単なる情報よりも人々を深く納得させる力を持っています。 この点で重要なのが、共感性や好奇心です。

人間にとって、「誰かのために」というモティベーションは根源的なものであり、自発的な好奇心は人間独自の特性です。これらの感情は、人間の価値観とともに変化し、異なる対象や感じ方をもたらします。

現在のAIは既存のデータやルールに基づいて動作しますが、倫理観や価値観は社会や文化の変化に応じて進化します。AIがこれらの微妙な変化を捉え、取り入れることはまだ人間にしかできません。 望ましい未来や理想の姿を描く際には、「予測」ではなく、人間の「創造的作業」が求められます。

0→1の発想を生み出すためには、「問いかける力」が必要です。問いかけることで、ポジティブな思考や創造力を引き出し、新たなアイデアや解決策を導くことができます。これからのビジネスにおいては、問いかける力を磨くことが不可欠です。

確かに、AIが行う事前のリサーチや問題解決力は便利ですが、それを活用しながら、人間が問いかけを形成し、新たな発見や創造を行うことが重要です。 人間とAIが協力し合いながら、問いかけを通じて新たな可能性を見出し、より良い未来を生み出しましょう。


この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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