共感起業大全 (中島幸志)の書評

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共感起業大全
中島幸志
自由国民社

共感起業大全 (中島幸志)の要約

経営者の仕事は多岐にわたりますが、社員との協力関係を築きながら、共に成長し、ビジョンを実現していくことが最も重要な役割です。経営者は、組織全体の方向性を示し、社員の能力を最大限に引き出すことで、会社の成功に貢献するのです。経営者や事業への共感が事業の成長を加速してくれます。

起業家に共感が必要な理由

起業家は、ビジネスという物語を描くストーリーテラーでもあります。ストーリーテラーは、物語の語り手です。(中島幸志)

私は起業家養成大学のiU(情報経営イノベーション専門職大学)の特任教授をしていますが、学生たちにいつも話していることが、自社のパーパスとビジョンの作成、そして、顧客や社員からから共感を得るためのストーリー構築です。起業家や事業への共感がなければ、ビジネスはうまくいかないということを日々学生に伝えています。

起業支援家の中島幸志氏は、共感とは価値観の共有で生まれる感情だと言います。起業家が顧客、従業員、パートナー、投資家などのステークホルダーからの共感を獲得することは、事業の成功への鍵です。社会的な課題に取り組むことで、より多くの共感を集めることが可能になり、組織やブランドに対する支持が増すのです。

起業家は、自らの熱い思いや世の中をよりよくしたいというビジョンを積極的に発信すべきです。これらの情熱をもったメッセージが、顧客や社員、パートナー、投資家などのステークホルダーの心を動かします。共感の輪が広がることで、ビジネスがうまく行くようになります。

自分の想いの実現だけに留まらず、仲間や社会の想いを実現していくほうが、想像した以上に、より素敵なビジネスの物語を描くことができるということを実感しています。

ビジネスの世界では、困難や挑戦(ハードシングス)が避けられません。しかし、起業家がどのような物語を描くか、どのように自分のビジョンや目標を伝えるかが、これらの困難を乗り越えるための鍵となります。魅力的な物語とビジョンの共有は、顧客や投資家、パートナーを引きつけ、事業の成功に直結するのです。このようにして、共感の輪が広がり、ビジネスが順調に進展していくのです。

共感されるストーリーの構成は、以下のようになります。
1、高い目標
起業家は、大きな目標を持つことが重要です。この目標は、人々の共感を引き出す力を持ちます。

2、動機、原体験
起業家がなぜその目標に向かっているのか、その動機や原体験を伝えることが重要です。これによって、人々は起業家との共感を感じることができます。

3、苦悩や挫折
ビジネスの道は容易ではありません。起業家が苦悩や挫折を経験したことを伝えることで、人々は彼らとの共感を深めることができます。

4、小さな転機
起業家が小さな転機を経験し、それを乗り越えたことを伝えることで、人々は彼らの成長を感じることができます。

5、未来を歩む仲間
起業家が共感を得るためには、共に未来を歩む仲間を求める姿勢を示すことも重要です。これによって、人々は起業家と共に歩む意欲を持つことができます。

組織を動かすビジョンとパーパスをストリーにしよう!

組織の理念に共感し同じ価値観を共脊しているが、それぞれが異なる性格・考えの人が集まっているという状態は、これほど心強いものはありません。

組織における共有された価値観の重要性は、異なる性格や考えを持つメンバーが一丸となって行動する力を生み出します。この共感を基盤として多様性を持ち合わせたチームは、互いの強みを活かし合い、組織の成長を促進します。異なるバックグラウンドを持つメンバーが集まることで、新しいアイデアや視点が生まれ、問題解決の可能性が広がります。

ただし、多様性の中にも共感と価値観の共有が不可欠です。チームや組織が共通の目標や理念に基づき統一された行動を取ることが、組織の力を最大限に発揮する鍵となります。共有された価値観は行動や判断の指針となり、組織全体に一貫性をもたらします。

この一貫性が組織のアイデンティティを形成し、メンバー間の絆を深め、誇りと協力の精神を育むのです。 組織のアイデンティティが明確であることは、その組織の目的と方向性が明確であることを意味します。これにより、メンバーは所属する組織に対して誇りを感じ、より一層の協力と連携を促します。

このように、共有される価値観の存在は、多様なメンバーが共感し合い、共通の目標に向かって協力するための基盤を提供します。価値観の共有は、チームワークを強化し、組織の継続的な成長と発展に不可欠な要素となるのです。

経営者の仕事は多岐にわたりますが、社員との協力関係を築きながら、共に成長し、ビジョンを実現していくことが最も重要な役割です。経営者は、組織全体の方向性を示し、社員の能力を最大限に引き出すことで、会社の成功に貢献するのです。経営者や事業への共感が事業の成長を加速してくれます。

ビジョンは、会社の将来の姿や目標を明確にするものであり、それを実現するための戦略や計画を立てる基盤となります。パーパスは、会社の存在意義や社会的使命を表し、社員や顧客に対して共感を呼び起こすものです。経営者は、ビジョンやパーパスを明確にし、それを社員に伝えることで、組織全体が一丸となって目標に向かって進むことができます。

また、経営者は自らの思いをストーリーにして発信することが重要です。ストーリーテリングは、人々の心を動かし、共感を生み出す力を持っています。経営者は、自身のビジョンやパーパスに対する熱い想いや理念をストーリーに織り交ぜることで、顧客やパートナーに対して感情的な共感を生み出すことができます。

共感起業を成功させるためには、経営者が自らの思いをストーリーにして発信し、他の人々との共感を生み出すことが欠かせません。本書の共感起業のステップを実践することで、難しいとされる起業の成功確率が上がるはずです。

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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